私の病歴において1つの節目を迎えたような気がするので、自分自身の整理のために書きます。レアケースとして捉えていただければ幸いです。
昨年受けた気分障害(うつ症状)の検査結果をふまえ、主治医と改めて現在の病状を整理しました。諸事情で最終的な結論が宙に浮いていたので、ようやく一旦締めくくりです。
現在の病状(図)
端的に言うと下記の図の通り。これまでも何度か触れていますが、複数の要素が絡み合い、私の病状や生きづらさを形成しています。
以下が、主治医の見解です。
主治医の見解
うつ病なのか、双極性障害なのか
現状は、うつ病、双極性障害、そのどちらとも診断できる。実際の症状、光トポグラフィー、心理検査等のいずれにも両疾患の傾向が見られるが、現時点で無理にどちらかに鑑別する必要性は感じられない。鑑別して薬物療法を行っても、これ以上の治療効果が期待できないからである(理由は後述)。
発達障害の傾向
WAIS知能検査の結果からは、発達障害傾向が見られる。得意・不得意な能力の差(ディスクレパンシー)は37あり、かなり大きい。ただし、発達障害の特性としてのコミュニケーション面の課題や、感覚過敏などが見られないので、発達障害の診断はつかない。これ以上の精査もあまり意味がない。
PTSD・トラウマ
生育環境や家族との死別等におけるトラウマがあり、主に情緒面に大きな影響を及ぼしている。
上記3要素(4要素)による複雑性
これらの要素が各々それなりの深刻さで見られ、複雑に絡み合っている。どれか1つの診断名には決められない。
薬物療法の効果が低く、難治化しているのも、この複雑性によるものである。例えば、抗うつ薬の効果が他の要因に阻害されて、期待通りに出なかったと考えられる。
今後の展望
ただし、見通しは決して悲観的なものではない。治療開始時と比較し、全般的に大幅な回復が見られ、1年半ほど服薬なしで過ごせている。(この点は検査した病院の先生にもかなり驚かれつつ、褒められた。)
特に情緒面が改善。以前はガラス細工のような繊細さが見られた。現在でも完全に無くなったとは言えないが、安定感が増している。
5年後、10年後にはもっと良くなる可能性が十分にある。でも焦らないこと。
主治医の見解を受けて
動揺と不安
実は最初、どう捉えていいのかよくわからず、かなり動揺しました。自分の実感としてはまだまだ苦しいことがあるのに、診断名が曖昧になることで、医療から見放されたような気持ちになったからです。それは私の誤解だったのですが、今もまだ若干混乱している部分があり、少しずつ咀嚼しています。
社会や他人への説明がますます難しくなるな、という思いもあります。発達障害の二次障害として、うつ病や双極性障害を併発するパターンは少なくないですが、それともやや違うのかなと感じています。
一般社会で居場所を見つけるには、かなりの努力と工夫が必要になりそうです。福祉的な支援機関を探すにしても、多角的に判断しなければならない。当事者同士のグループにも所属し難い気がしています。
どこかに居場所を見つけられるのだろうか。鳥の仲間にも獣の仲間にもなれないコウモリの寓話が、何日も脳裏に去来しています。
それでも何とかやっていく
と、ネガティブになりかける瞬間もありますが、あまり悲観せず、淡々と受け入れてやっていくしかありません。
落ち着いて考えれば、 この診断によって生活が一変するわけではない。もともと服薬はなかったし、これからもそれは変わりません。診断書等にはよしなに対応してもらえるそうです。万一何らかの不都合が生じても、まあその時はその時です。
主治医には、とても感謝しています。何かの診断名を当てはめ、セオリー通りの治療をすることも可能なはずですが、そうせずに誠実な所見を出してくれました。投薬を中止した時もそうですが、柔軟で、医師として勇気ある決断をしてくださる先生です。
寛解したわけではないので、今後も通院は継続し、助けてもらうつもりです。
もう他の人と同じになろうとするのは、やめました。
配られたカードで勝負するしかない、のかもしれない。でも私は隙を見て、新しいカードも引きに行きます。まだ弱くてバラバラの手札しかないけれど、組み合わせ次第では、今よりもう少し強くなれるかもしれない。
薬物治療がなくなった経緯はこちらです。