生きるを手繰る

生きづらい私が、生きる気持ちをゆるりと手繰り寄せるために

わたしの自立。過去からの自立

過去と私

闘病生活を続けていると、自分自身と向き合う時間が長くなる。いわゆる“精神の病”との付き合いでは、特に自分の内面を見つめる機会が多い。毎日、自分の脳や心で起こっていることを観察し、分析し、対処していく。私はそんな日々を重ねている。

その過程では、自分の過去を振り返ることも多かった。子どもの頃から少しずつ形成されてきた価値観や考え方のクセが、現在の感情や行動に大きな影響を与えていると気付かされたからだ。

過去と対峙することは、時にはかなり辛い作業となる。問題の解決を目的とする以上、どうしても楽しい記憶より、そうではない記憶を掘り起こすことが多くなる。わざわざ嫌な出来事を思い出し、反芻し、当時の感情を再体験する。悲しみ。淋しさ。怒り。後悔。心の中に嵐が巻き起こる。記憶の中で出会う遠い日の私は、あまり笑っていない。

文章を書くこと

そんな人生の中で、何度か他人から、文章を書くことを勧められた。「自分の内面を表現することは、生きる上で何かしらの助けになる」と言う。興味はあった。でも勇気がなかった。私にとって、かなりのエネルギーが必要な作業だと直感していた。そんな状態のまま、10年以上の長い年月が経過していた。

つい先日、ふと思い立って、ブログを始めることにした。大きなきっかけがあった訳ではない。気が向いただけと言えば、それまでだ。気持ち、環境、タイミング。小さなきっかけが集束して、今なら少しずつ書けそうな気がした。

ブログという自分の部屋

自分のブログを作っていく作業は、部屋づくりに少し似ている。

まずは、どんな場所にしたいのか考える。どうすれば自分の居心地が良くなるのか。訪れてくれる人が快適に過ごせるのか。

次に、インテリアを選ぶように、ページのデザインを決めていく。私のブログは、まずはシンプルな部屋にすると決めた。なるべく飽きがこないように。その日の記事の画像が映えるように。そして、色々な人に訪ねてもらいやすいように。いつかは模様替えしてみるのも楽しいかもしれない。

レイアウトが済んだ部屋で、一日ずつ日々を紡ぐように、一つずつ記事を書いていく。自分のために作った、真新しい自分の場所で。

過去からの自立

ブログでの新生活は始まったばかりだけれど、今のところ、なかなか心地良い。過去の自分と向き合いながら、感情を適切な場所に収めて整理していく。そうして整理していくことで、少しずつ心が過去から自由になれそうな気がする。

「自立する」という言葉は経済的な意味で使われることが多いけれど、「自由を掴むための行動を起こす」と捉えることもできる。今の私にとっての自立は、“過去から自由になった心で、少しずつ未来へ踏み出すこと”だ。そしてその“自立”のためには、自分で自分を守る責任を負う必要があるとも思っている。

これから先、“わたしの自立”の向こうに、一体何が待ち受けているのか。

小さな部屋の灯りが集まって、まばゆい街の光になるように、いつか私の自立が、誰かの心を照らす光の一部になれたら。そんな日が来たら、きっと幼かったあの日の自分も笑顔を見せてくれそうな気がする。

 


ちょうどブログを始めたばかりの私に、タイムリーと言えなくもないお題のキャンペーンがあったので、応募してみました。筆があまり乗らない時は、テーマがあると助かりますね。少し気分が変わります。