生きるを手繰る

生きづらい私が、生きる気持ちをゆるりと手繰り寄せるために

盛り鉄女子ノスタルジア

電車の座席でメイクをする女子高生と、それをチラ見するアラフォーおばちゃん(私)。
現代日本では実にありふれた風景なわけですが、今日のそれは何かが違う。

 

制服を着たロングヘアの彼女は、定番の韓国風オルチャンメイクがすでに完成しつつある状態。
眉毛も描き、赤リップも塗って、おめめもパッチリ。
ここまでは普通。

 

無事に完成かと思われたその時、おもむろに、目の下に茶色くて太ーい線を引き始めた…。

 

涙袋の辺りだから、アイラインにしては位置が下すぎる。
かといって、ハイライト効果で涙袋をぷっくり見せているわけでもない。なかなか濃いめの茶色だし。
目の下にわざわざ濃いクマを作ってるような…何かを思い出すんだけど、何だっけ…

 

 

eyeblack

これだ。
よくメジャーリーガーが目元に塗ってる日よけみたいなやつ。*1

 

……えっ?なんで??それカワイイの?私が知らないだけで、若い子に流行ってるの?
それとも陰影をつけて涙袋をぷっくりしようとして失敗したの?
と、斬新なメイクにすっかり頭の中が???となっていた私でしたが、結局彼女はその状態のまま、堂々と電車を降りていきました。

 

しかし、電車の中で化粧するってやっぱりどうなんでしょうね。
最近は、盛り鉄女子*2という言葉もあるらしいけど、同じ女性としてみっともないと思う。

 

というようなことを言いたいわけでは、全然ありません。

 

ここ数年、ちょっと変なメイクとか、絶対その流行り今年だけでしょ!みたいなファッションを見ると、「私も若い頃やっておけばよかったなぁ」と少しうらやましいような、微笑ましいような、どこかノスタルジックで不思議な気持ちになります。

 

そして言いたくなる。

いいね。どんどん楽しんで!

 

電車でメイクの是非はさておき、何かを楽しんだり、興味を持つことって、すごく大切だと思うのです。

私は、あまり主体性のない子どもでした。母が自分の好みを押し付けてくるタイプだったので、自分で洋服を選んだり、好きな場所に遊びに行くようになったのも、かなり遅かったように思います。

大人の顔色をうかがって自分を押し殺し、物事に興味がないフリをしていたら、本当に色々どうでもよくなってしまった。間もなくうつになり、何かを楽しむどころではない状態が続きました。

だけど最近は、好きな音楽や、お気に入りのゆるい漫画など、小さな楽しみが少しずつ増えています。

 

当たり前だけど、好きなものがあるって、楽しい。

そしてそれは、ピンチな状況を脱するための回復力にも繋がると思っています。

 

だから、子どもでも大人でも、興味を持ったことはやってみてほしいし、私もそうしようと思います。くだらなくても、続かなくても、下手でもいいと思うので。

 

というわけで、かの盛り鉄女子高生にもこう言いたかった。

いろんなメイクを楽しんで、いろんな人といろんな所に行って、たくさん思い出を作ってね。
たくさん失敗しながら、たくさん好きなものを見つけてね。

 

*1:調べたところ「アイブラック」という名称だそうです。

*2:こちらの筆者の方の造語だとか。

toyokeizai.net