不思議な文章スケッチの始まりです。一体何なのかは、こちらで説明しています。
はるか遠くの田んぼから、ゆらり揺られてやってきたそれは
すっかり今はみずみずしくなって、ほかほかの湯気に包まれて
お茶碗の中で、つやつやと光を放っている
シャキッと粒が立っている、と言うよりは、どうものんびりした感じに見えるけど
それはたぶん、研いだ人がのんびり屋だからに違いない
口に運ぶとふんわり柔らかくて、でも噛みごたえもしっかり残っていて、さっぱりと甘い
きっと誰だって、ほっとしてしまう味だ
いつもより少し遅くなってしまった食事
目の前の、白くてなだらかな山は、みるみるうちに小さくなる
透明感のある白
でも決して冷たくない、温かみのある白
水と光をたくさん閉じ込めた白
そんな白さから、たくさんエネルギーをもらった後には
満足そうにピカピカとしたお茶碗がひとつ
少し新しい気持ちで、ごちそうさまを言いたくなる季節
斬新な食レポをしようとしたあまり、ものすごくスベった人みたいになっていますが、これも人前で恥をかく練習ということにしておきます。
新米の季節ですね。
これを読んでくれた方が、今日もみんな自分のペースで、おいしくご飯を食べられますように。